アルビレックス新潟のメソッド部門ダイレクターとして、約3年間にわたり日本の育成現場に携わったエコノメソッドのオスカルコーチに近年の日本サッカーの発展と育成における課題についてインタビューしました。
「前回、前々回のW杯において、いずれもベスト16で敗退していますが、日本代表は非常に高いレベルを見せています。2018年大会では、優勝国のフランスに負けて3位となったベルギーに対して勝利目前まで迫りました。2022年大会でも、優勝国のアルゼンチンに負けて3位となったクロアチアに惜しくもPKで敗れました。
つまり、準決勝まで勝ち残るレベルの国に対して2大会連続で接戦を演じており、日本代表も近い将来そのレベルに到達する可能性があり、今大会がそうなるかもしれません。
近年ではスペインやイングランドなどトップレベルのリーグに所属する日本人選手も増えてきており、注目選手として久保選手と佐野選手です。日本代表の選手は技術レベルが高く、縦横無尽に動いてのポジションチェンジ、様々なシステムに対応できる点が強みです。
逆に、最低でも1人は中盤でバランスを意識したプレーができる選手が必要です。そのため、非常にインテリジェンスが高く、ゲームをコントロールする力のある守田選手が選外となったことには驚いています。

育成年代についても日本のレベルは上がってきています。特に、日本人選手の持つ技術は素晴らしく、目を見張るものがあります。
しかし、日本のアカデミー環境は発展途上にあり、スペインと比較するとまだまだ改善の余地があります。よりプロフェッショナルな環境を整え、日本サッカーが発展していくために必要な2つの例を挙げます。
1つ目はスカウティングです。
スペインでは早い年代からスカウティングによる移籍が活発に行われており、ラ・リーガ下部組織をはじめとした強豪クラブにレベルの高い選手が集約されるようなリーグ体系が整っており、同年代のトップレベルの選手同士で日々トレーニングや試合をすることができます。一方、日本ではクラブ、部活動などチームが多岐に渡るため、競技レベルも分散される傾向にあります。
2つ目はチームスタッフです。
スペインでは幅広い分野で専門性を持ったスタッフが各チームにいます。日本でもスタッフ体制は整ってきていますが、私がアルビレックス新潟に在籍していたときに元JリーガーのGKコーチから聞いた話として、プロとしてJクラブに入るまで所属クラブにはGKコーチがいなかったそうです。裏を返せば日本のGKにはまだまだ伸びしろがあり、フィジカルコーチなど他の専門分野でも同じことが言えます。

指導面で言えば、特に守備について日本人選手はもっとトレーニングをする必要があります。例えば、ブラジルに3対2で勝利した親善試合でも、裏へ抜け出す相手を認識してなかったマークのミスから2失点しています。
この他にも、チーム全体のバランスを考えてどこにポジションを取ることなど、試合状況を正しく把握してプレーにつなげる部分には改善の余地があります。こういった点は日本ではあまり教えられていないように思います。
この夏、私は日本で開催されるエコノメソッドキャンプで指導をします。このキャンプでは日本人選手の改善点である守備や攻撃時のポジショニングにも取り組み、サッカーをより深く学ぶ上級者向けプログラムとなっています。高いレベルを目指す日本人選手の指導ができることを楽しみにしています」

